言霊の幸わう国

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強くなりたい

 人が口を閉ざしてしまうのは。
 それが、取るに足らないからなのか。
 ことが大きすぎてなのか。

 どっちにせよ、一瞬でも思いがベクトルになったら、口にしてほしい。
 ちゃんと支えるから。

 てなことを考えていた、数日。

 4月ももう終わるよ。
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by fastfoward.koga | 2007-04-30 19:52 | 一日一言 | Comments(2)

夜の公園

 今週は、誰のどんな優しい誘いも断って、ひとりで過ごそうと決めていた。
 頑なに、頑なに。
 でもそろそろひとりは退屈だと思い始めていた。

 それでも夕飯を食べて1時間ほどは、部屋でじっとしていた。
 けれど、無性に柿の種が食べたくなって、散歩がてらコンビニへ出かけていった。
 行きは遠回りしながら、ぶらぶら明るいところを選んで歩いた。
 帰りはコンビニの袋をぶらぶら提げて、暗いところを選んで歩いた。

 今日はなぜかまだ飲んでもいないのに、どこまでもどこまでも歩いてゆきたくて仕方なかった。
 帰ることなど一切考えず、行けるところまで行ってしまいたい、そう思った。
 そう思ってしまったら、まっすぐ帰ることができなくなった。

 自分で自分のきもちを持てあまして、道すがらにある公園に足を踏み入れた。
 プラスティックでできた今どきの遊具。
 狭くて低い入口をくぐり、ステップを上がった。
 上がったときはどうしようかなんて考えていなかったけれど、上がりきったらそこに腰を下ろすしかないような気がした。

 見上げると、背の高い木のもっと向こうに月が見えた。
 遊具越しに見る月。
 狭いけれど天井のない、その珍しい空間にしばらく佇んでいた。

 手にしていた紙パックのミルクティを最後にずずずと飲み干したら、思った以上に音が響いた。
 ひっそりする公園で、少しどきりとした。

 帰りは、すべり台から下りた。
 わたしのこどものころよりも短いと見て思っていたのに、すべると意外に心地よいスピード感があった。
 コンビニの袋をベンチに置き、少し小走りでさっきと同じようにステップを上がった。
 ジーパンのおしりに、ざらざらっと砂がまとわりつく。
 でもそれも気にせず、3度すべり下りた。

 すべったあと、ぴたっと終点におしりがおさまるあの感覚。
 ささやかな快感だった。
 おかげで歩き足りないきもちも、同じようにおさまった。
 公園を出てうちへ向かう足取りは、少し軽くなっていた。
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by fastfoward.koga | 2007-04-28 22:36 | 一日一言 | Comments(6)

平均点越え

 さっきから、切ったばかりの長さを確かめるために、何度も髪をちょこっとつまんでみては引っ張っている。
 毎回、予想しているよりも早く髪は手から離れる。

 またやってしまった?
 確か前回は、もう少しだけ伸ばそうと思っていた。
 きもちちょっと切りすぎた。
 
 でも鏡を見ると、いい長さだと思う。

「次に生まれ変わったらなんの仕事をしたい?」

 鏡越しに、美容室の店長の奥さんに訊かれた質問。
 今日1番むずむず、うずうずした。

 今朝はわたしが今望んでいることが夢になって出てきた。
 とは言っても、100%の形で実現はしていない。
 中途半端さに複雑なきもちは残るものの、大筋よしとするかという感じの夢。

 ふーん、と感想をもらしつつ、実は夢に自分が望んでいることを教えられてしまった。
 今日はその人のことばかり考えていた。
 現実よりも夢で見たその人の姿を、ずっと頭の中で描き動かしていた。

 なんだかしみじみ、すきだというきもちはこういうことを言うのだなと思った。

 なにがあったというわけではないけれど、概ね良好な1日だった。
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by fastfoward.koga | 2007-04-25 22:10 | 一日一言 | Comments(0)

こんがらがった糸

 仕事を終えてうちの最寄り駅に着いたら、雨が降っていた。
 降り始めなのか、振り続けていたのかわからないような雨だった。

 地面はそう濡れてはいない。
 かかとがそうとう擦り切れた靴からは、歩くたびに規則正しい音が鳴った。
 傘をしっかりともったサラリーマンとすれ違う。
 ほんの少し坂になった道を歩きながら空を見上げると、いい位置で雨粒を捉えた。

 そうそう、雨は空から降るものだった。

 駐輪場まで歩く道すがら、ベスパを走らせながら、同じような映像を見たときのことを思い出していた。
 時には雨。
 時には雪。
 どの場面でも、わたしは今日と同じように降るという動詞の意味を噛みしめていた。

 そこからするすると、いろんなことを思い出した。
 一緒に見た人のこと。
 そのとき乗っていた車。
 死んだら、そのときの思い出を持っていこうと思ったこと。
 そう思ったきっかけになった本のこと。
 酔っ払って、隣にいるすきな人とこのまま死んでもいいと思ったこと。
 その人の誕生日と新しい年齢のこと。

 そして、今ならどの思い出を持っていくか。

 連想ゲームのように、するすると出てきた。
 まるで、手品師が口から紐でつながった国旗を出すように。

 ときどき癇癪をおこしたとき、自分の中でこんがらがった糸を無理やりちぎったつもりでいた。
 でも糸はそう簡単には切れないらしい。
 やっぱりというか、さすがというか。

 今日もちまちま紡いだ糸が、いつかまたこんがらがる。
 望んでも望まなくても。
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by fastfoward.koga | 2007-04-24 23:45 | 一日一言 | Comments(0)

 テレビを消したら、時間が戻った。

 昨晩はスピッツをエンドレスで流して、ニンテンドーDSをしたり、本を読んだり、ストレッチしたり。
 いろんなことに時間を使った。
 でも、合間合間にいくら時計を見ても、もうこんな時間かとあせることはなかった。

 時間はこんなふうに過ぎるものだったと、ベース音を心地よく感じながら思い出していた。

 ここのところしばらく、休みがあってもいつも寝てばかりいた。
 不思議なことに眠っても眠っても睡魔を遠のけることができず、とりつかれたように眠った。
 起きている時間は、食事をするかテレビの前でぼんやりしていた。
 外に出るのも邪魔くさくて、いく日もの休みを鬱々と淡々と過ごした。

 生きてゆく中には波は確実に起こることだからそういう時期もあるだろうと、ただしたいように自分を許していた。
 というよりは、実のところ波に逆らうエネルギーさえなかったのかもしれない。

 今朝はゆっくり起きて、テレビはつけずにプレイヤーにくるりのCDを載せた。
 ギリギリまで聴いていた歌を、ベスパに乗りながら口ずさんだ。
 肌寒かったけれど、首にまいたストールの暖かさが逆にありがたく感じた。

 今もくるりのベストを聴いている。
 ちょうど一巡したところだ。
 56分41秒。
 その時間を、こぼれ落とすことなく手の中に収めた。
 と、いう気がしている。
 波は落ち着いたようだ。
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by fastfoward.koga | 2007-04-23 23:33 | 一日一言 | Comments(4)

傘を振り回す

 今日は静かな職場で、久しぶりに気分よくさくさくと仕事をした。
 テレビのニュースを横目に見つつ、午前中は思ったよりも仕事を片付けることができた。
 そんな満足感に浸りながら、遅いお昼を食べているときにふと思った。

 仕事をするわたしと、プライベートのわたしを、ぱっくりふたつに分けられたらいいのに、と。

 仕事を始めると休みなく働いていたいと思う。
 休みになるとずっと休みだといいのにと思う。

 どっちもないと困るくせに、どっちもあるとリズムが崩れる。

 あー、邪魔くさい。なんて邪魔くさい人間なのだ。
 でも今、どっちかしか取れないなら、仕事を取ろう。
 どうせゴールデンウィークも関係ないし。

 無性に、今日指さずじまいだった傘をぶんぶん振り回したい気分。
 拗ねるでも、むくれるでもなく、ただ自分の中に澱んでいたエネルギーを外に出したい。
 それで、校庭みたいに広いところでスポッと傘が手から抜け飛んで、どっかへ飛んでいけばいい。

 そんな小学生がするような、やけに鮮明なイメージが頭を巡る。
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by fastfoward.koga | 2007-04-22 21:12 | 一日一言 | Comments(4)

深淵

 今日、初めて胃カメラを飲んだ。
 麻酔が効いてぼんやりする意識の中、何度かゴホゴホと咳払いをし、涙がつつつと3筋流れたのを記憶している。
 痛みは感じていないはずなのに、涙が出ることが不思議だった。

 検査が終わったあとは、ベッドでうとうとした。
 横になってすぐ、お医者さんがなにも異常がなかったと知らせに来てくれた。
 写真を見ながら、ハイハイと返事をしてまた横になった。
 あとで、異常なし、の言葉は夢の中のできごとのように思えた。

 はっと目覚めて、少しあわてて廊下に出た。
 まだふらふらとしていたからもう少し寝ていればよかったと思ったけれど、きっと10分も経っていないはずなのになんだかとても長い間寝てしまったような気がしたのだ。
 待合室のイスに座り、診察中のことを思い出そうとしたら、記憶の途切れ方が唐突で少し怖くなった。
 眠っていたというよりは、意識を失っていた感じ。
 その深さは、たぶん今まで辿りついたことがない。

 深いというと、わたしは土よりも水を思い出す。
 穴のような深さより、水の底へ進む深さ。

 今日辿りついたところは、濃紺の世界ではなく黒いカーテンに包まれた世界だった。
 もう1回、行ってみたいような。みたくないような。
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by fastfoward.koga | 2007-04-21 20:16 | 一日一言 | Comments(10)

空きスペース

 アルコールが脳にまわると、ふと考える。

 なにもかもがうまくいきそうな気がする。
 なにもかもがうまくいかないような気がする。

 今日は、後者。

 同じ人間が、同じようにアルコールを摂取しても考えた末に得た答えは違っている。
 不思議だなとタクシーを降りたあと、夜道を歩きながら思った。

 どっちにでも転ぶことはできる。
 きっとそうなのだろう。
 たぶん、今わたしの中にある天秤がマイナス思考にわずかながらも傾いているからそう考えたのだ。

 メモリの減ったスペースを埋めるものは、果たしてなにか。
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by fastfoward.koga | 2007-04-19 23:31 | 一日一言 | Comments(4)

ア リトル

 わたしの中には、馬がいる。
 それも荒馬。
 茶色い毛並みで、足が太くてがっしりした馬。
 決して、レースで颯爽と走るような美しい馬ではない。

 その馬が、よく暴れる。
 これでもかというくらいに全身を震わせ、大声を張り上げ、体の中のごろごろした固まりを吐き出そうともがく。

 そんなわたしの中の荒馬を、わたしの中のわたしは必死で抑えようとする。
 手を替え品を替え、試行錯誤している。

 前までは最後の手段は、眠らせることだった。
 まるで麻酔銃を打ち込むように、無理やり力を奪っていた。

 でも最近は、じっとその目を覗き込むとしだいに動きが静かになる。
 嵐が過ぎ去るのを待つように、様子を窺っているとすっとじたばたさせた脚を下ろすのだ。

 最近、メールをするときに形容詞の使い方にふと手が止まることがある。
「すごく」そう思っているけれど、そう書くにはためらいがあって。
 ちょっと引き算して形容詞だけにしておこうかと考えたり。
 でも物足りない気がして、やっぱりなにか足したくなる。

 そうしばらく悩んで、結局「もう少し」とか「ちょっと」と書く。
 でも、ほんとうはそうではない。
 そう書くときほど、そうではない。

 でもそう書いたあとのわたしの中の荒馬は、ただの馬になっている。
 その目は静かで穏やかだ。
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by fastfoward.koga | 2007-04-18 22:56 | 一日一言 | Comments(2)

読みまつがい

 先日の日経新聞の記事の見出し。
「日中 氷を溶かすか」

 今の季節、氷ぐらい解けるだろー。

 今度は、六カ国協議の新聞記事の見出し。
「米朝 審議続く」

 どうした。桂米朝はなにを審議しているのだ?

 巷では(?)「言いまつがい」が話題ですが、これはわたしが実際にした読みまつがい。

 はー、困ったもんだ。
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by fastfoward.koga | 2007-04-17 20:44 | 一日一言 | Comments(4)