言霊の幸わう国

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一筆入魂

 言葉は1度口にすると、元には戻せない。
 それは、言うのも書くのも同じ。

 後悔すると思いながらも、このきもちは吐き出してしまわなければ気がすまない。
 と思うことは、ときどきある。
 わたしの場合、たいていはふつふつしている思いを押さえ込んで、なんとか20%くらいを言葉にして、相手から下手な反応が返ってきて後悔するのがパターンだ。
 で、そのあと、20%でも口にしたことにくよくよしてしまう。

 最近もそういうことがあって、ばかなことをしているなと思っていた。
 言葉をもっときもちよく使えればいいのに、と。

 このひと月ほど、ブログを書いていて、自分の用いる言葉がマンネリだなと感じる。
 まず、自分で自分を楽しませることができていない。
 どうも、とりあえず書いてみました的な匂いがぷんぷんするのだ。

 書くことへの集中力も弱まっているな、と思う。
 ぐーっと1点に力を注ぐような、そんなエネルギーを出し切れていない。
 書きたくてうずうずするようなきもちに、もうどれくらいなっていないだろうか。

 今日、本を読んでいて、これはわたしは使わない言葉だなと思うものを見つけた。
 それは、「思いがけず」。
 そして同様に「たっぷり」、これも普段わたしからは出てこない言葉だ。

 知っている言葉と、使える言葉と、使いこなせる言葉はそれぞれ違う。
 その間にある壁が、今見えた。
 
 越えたい。
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by fastfoward.koga | 2007-08-28 22:15 | 一日一言

陸上魂

 昨日から、大阪で世界陸上が始まった。
 会場の長居陸上競技場がいつも使う地下鉄御堂筋線沿いにあるせいか、いつも以上に外国人を見かける。
 会社の前のホテルも、スポーツウエアに身を包んだ外国人がうろうろしていた。

 早朝の男子マラソンに始まり、男子400メートル障害の予選、女子10000メートルの決勝と、なんとなくテレビ観戦していた。
 マラソンのあの最後のデッドヒートや、10000メートルの駆け引き。
 そして残念ながら予選落ちした、為末大選手の走り。
 だんだん、ぐいぐいときもちが引き寄せられた。

 わたしは中学生のころ、陸上部だった。
 膝が弱かったので、たいしたことはしていない。
 それでも、テレビから伝わる競技場の、あのトラックの空気にやられてしまった。

 どんなにあのころから時間が離れても、思う。
 陸上選手の、ここ1番へのコンディションの整え方は底知れないなと。
 
 例えば、先日の高校野球の決勝戦。
 延長や再試合を乗り越えて優勝旗を手にした、佐賀北高校の野球部員には感心する。
 体力も気力も毎回万全にして試合に臨んだからこそのあの結果。
 集中力や緊張感をキープすることは、確かに容易いことではない。

 でも、でも、とわたしは思う。
 たった数秒で結果の出る競技で、それまでの成果をすべて出し切ることはなんて難しいのか、と。

 だから昨日の為末選手の走りは、残念だった。
 彼は今、どんなことを考えているのだろう。
 昨日はそんなことを考えていると、まるで自分のレースのように感じ眠れなかった。

 今、男子100メートルの朝原選手の準決勝を見ていた。
 目標にしていた決勝には、残念ながら進めなかった。
 確かに昨日の予選の走りの方が力みがないように思えたし、事実タイムもよかった。
 レース後のインタビューは、生々しくて痛々しくて直視できなかった。

 こうしてまた、わたしは今晩なにが原因だったのか、わかるはずないのに頭を悩ますのだ。
 いっちょまえのように、ずうずうしく。

 久しぶりに蘇った緊張感。
 トラックのざわつきや、落ち着きのなさ。
 ゴムの匂い、スパイクの尖った音。
 
 そういうものに後押しされて、せっかくだから、と思い始めた。
 結果ではなく、自分の肉体を駆使して一瞬に賭ける人たちの姿をこの目で見てみたい。
 なんとか、なんとか、仕事をやりくりして、競技場へわたしも走りたい。
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by fastfoward.koga | 2007-08-26 21:09 | 一日一言

いつだって、真っ向勝負

 ジャングルと化していた本棚に、やっと手をつけた。
 大学のときに使っていたテキストの類と兄の本を勝手に整理し、空いたスペースに存在すらも忘れてしまっていた実用書の類をしまい、そこに平積みしていたここ1年くらいの間に購入した本をちゃんと立てて納めた。

 横にしたり、斜めにしたりと、騙し騙し詰め込んでいた本を少しずつ取り出した。
 すると、久々に見る本がいくつも姿を現した。
 あー、懐かしい顔ぶれ。
 久しく手にしていなかったけれど、元気にしていたかい。
 暗いところで息がつまっただろう。
 これからは少し呼吸もしやすくなるだろうからね。

 思わず、そんなきもちになった。

 作業は、ほんの小1時間。
 でも息は上がるし、大量の汗はかくしで、かなりの大仕事。
 本は、買うのも、読むのも、整理するのも、真っ向勝負なのだ。

 すべての本を仕舞い終え、見るとまだ本棚には余裕が(と言っても、本の上に本を立てるのだけ)。
 これでまだ本を買っても大丈夫だわー、とうれしくなった。
 うっしっし。
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by fastfoward.koga | 2007-08-25 20:06 | 一日一言

中学生日記

 午前中は、ベスパに跨り。
 午後は、髪を切り。
 夜は、手足にネイルを施し。
 寝る前には、三島由紀夫の「金閣寺」を読む。

 プールの後のように、体がだるい。
 懐かしいだるさ。
 中学生の夏休みっぽい感じ。

 ぐっすり、寝たい。
 ぐっすり寝ても、まだ明日は夏。
 
 そうそうこの感じは、やっぱり中学生っぽい。
 明日は今日と同じような日で、それが続いてゆくのだと信じていて、季節の移り変わりはスローモーションで見えるくらいにゆっくりだと思っていた。

 そんな戯言に、ちと、騙されて寝よう。
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by fastfoward.koga | 2007-08-24 21:42 | 一日一言

スーパーマン

 自分のことしか見えていないときは、向かい合う人のことを憎らしいと感じる。
 この人の目にわたしはどう映るのか、どんな影響を及ぼしているのか。
 あれは、こうするしかなかったのだ。あの人だってこうしたじゃないか。
 どうせうまくいかなかったのだ。それを今さら言われても仕方ない。
 ・・・。

 相手のことを考えているふりをして、実は自分で自分をがんじがらめにしてしまう。

 昨日の夜は、そんな呪縛から逃れようと外で大きな雨音が響く中、もがいた。
 朝目覚めても呪縛はそのまま存在を誇示し、ちょっとうっとおしく思っていた。

 でも、仕事帰りにふっと解放された。
 それもあっという間だった。

 相手を通して自分を見るのではなく、向かい合った相手をちゃんと見る。
 そんな当たり前のことに気づかせてくれる人が、颯爽と現れてわたしを救ってくれた。

 トントンと肩を叩くくらいの軽快さ。
 そんな軽さで、呪縛はするんと消えてなくなった。

 思わず、右肩を左手で触れる。
 うん、もう大丈夫だ。
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by fastfoward.koga | 2007-08-23 23:19 | 一日一言

巡る言葉

 最近、ずっと心を離れない言葉がある。

 藤代冥砂の「ドライブ」に収められている「道のつながり2~『内堀通り』」の一文。

「セックスは恋人じゃなくても可能だが、冬の寒い公園は恋人とではなくては歩けない。わざわざ雪の日に、まだ誰も踏んでいない場所を二人で歩く時の小さな感動を私はまだ覚えている。」

 そして、チャットモンチーの「恋の煙」。

「当たりくじだけのくじ引きがしたい」

 いつからだろうか。
 ずっと頭の中を巡っている。
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by fastfoward.koga | 2007-08-22 23:32 | 一日一言

紙一重

 年休の消化を迫られ、今日は昼から出勤した。
 当たり前のことだけれど、半日分しか仕事をしていないから1日はあっという間に過ぎた。
 半日年休を取得しているので残業することもできず、早々に会社を出た。
 
 帰りの電車の窓からは、燃えるようなオレンジの夕陽。
 暑さのために夜熟睡できない日が続いているせいで、本も目も閉じたらコテンと眠ってしまった。
 乗換駅のひとつ手前で目を覚まし、ふと先送りにしているいろんなことを頭の中に並べてみた。

 ヨッキューフマンに気をとられて数日。
 あれも、これも、どれも、みんなとりあえず保留してきた。
 それにも飽きたな、とやっと思った。
 蒸し暑い毎日の中で、ひゅっとさわやかな風が吹いた。

 うちに着いてからは、てきぱき動いた。

 部屋の床を水拭きし、おこづかい帳をつけ、アイロンがけをし、読み終わって適当に積んだままにしている本を無理矢理本棚に詰め込んだ。
 あともう少し、やることはある。
 でもかなりスカッとした。

 1日はいつだって24時間。
 長くもあり、短くもある時間。
 この差はいったいなにから生じるものなのだろうか。
 と、考えるけれど未だ結論は出ず。
 きっと、ほんのちょっとのことだと思うのだけれど。
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by fastfoward.koga | 2007-08-21 23:05 | 一日一言

ヨッキューフマン

 先週は、お盆休みをとる上司の代わりにお留守番。
 珍しく、月曜から金曜まで5日間の勤務をこなした。

 連夜の熱帯夜で、少し睡眠不足が続いていた。
 合わせてなんとなく盆シーズンの緩い職場にかえって疲れて、金曜日の勤務が終わった後は開放感があった。
 20時に勤務が終わると、その足で同僚と向かいにあるホテルのビアガーデンでお疲れさま会をした。
 17階にあたるホテルの屋上は、涼しい風がびゅんびゅん吹いていた。
 いくつも空を横切る飛行機。
 きもちいいなーと、上機嫌でビールを飲んだ。

 土曜日は、ベスパをバイク屋さんへ持っていった。
 言われていた1000キロを越えたので、点検してもらったのだ。
 ブレーキランプとウインカーのカバーをオレンジに替えてもらい、ブレーキにクラッチ、バンパーの位置などを直してもらった。
 帰りは、思わず小さく叫んでしまったくらい走りやすくなっていた。
 
 ヘルメットも新しくして、走りも軽くなって、陽射しは容赦なく降り注ぎ暑いはずなのにきもちよくアクセルを吹かした。
 どこまでもどこまでも、走りたくなった。

 そんなふうに、暑さにはうんざりしつつも週末はきもちよく過ごしていた。
 そう、きもちよく過ごしていたのだ。

 けど、どうもそれ以上の肝心なことをする気が起きなかった。
 ブログも書きかけてやめてしまったし。

 実はひとつ、引っかかっていることがあった。
 そう強く望んでいるとは思っていなかったし、そう重大だとも思っていなかった。
 けれど、よくよく考えるとわたしはしばらく触れずにいた自分の抽斗を開けてしまっていた。

 そのことに、今日気づいた。

 抽斗を開けたことよりも、気づいたことに小さく衝撃。
 あー、これはもうヨッキューフマンだ。
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by fastfoward.koga | 2007-08-20 21:38 | 一日一言

覚醒

 最近、洋服を選ぶときに迷うことがない。
 着たい洋服を、着たいように着られている。
 それは、とてもきもちがいいことだ。

 でもそれに反して、こんな洋服じゃ出かけられない! とあせる夢をここ数日何度も見ている。
 季節感が合わなかったり、上下がちぐはぐだったり、色合わせがおかしかったり。
 夢の中のわたしは、たいてい諦めきれずにうだうだと洋服を探している。

 夢の示している意味は、わかっている。
 この先、自分が新しい環境の中でどう振舞えばいいかという不安だ。

 でも覚醒しているときのわたしは、それほど不安を感じてはいない。
 だから、目が覚めたときに不思議だなと思う。
 そんなたいしたことじゃないのに、と。

 今夜また、夢の中で洋服を探し回るかもしれない。
 でもたとえそうなったとしても、明日の洋服をきもちよく着ればいい。

 覚醒した自分が感じること意外になにがある。
 目覚めている自分、ありきなのだ。
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by fastfoward.koga | 2007-08-17 20:03 | 一日一言

本と、旅と

 会社への行き帰りの電車の中で、1冊の文庫本を読み終えた。
 絲山秋子の「逃亡くそたわけ」
 昨日、買った本だ。

 物語は福岡を舞台に始まる。
 そこから、大分、熊本、宮崎、鹿児島と、主人公たちは昭和生まれのマツダの車で逃亡を続ける。
 その行程を、わたしはアクセルを踏み込むように加速をつけて、一気に最後まで読み切った。
 ラストシーンに辿りついたのは、ちょうど最寄り駅まであとひと駅というところだった。

 九州のいくつもの町。
 そのいくつもの町の中で、いくつもの景色を頭の中に思い描いた。
 あの場所のことだ、あのあたりのことだろうか。
 そんなことを考えながら、読んでいた。

 旅をすると、そんなふうに本の中に広がっている世界がぐんと近づくことがある。
 一方で、本を読むことで見知らぬ町を旅をするようなきもちになることもある。

 どちらもすきだし、どちらも捨てがたい。
 どの町も、どの本も、両方の思いで触れることができたら、と欲張りなことを考えたりする。

 昨日、久しぶりにすきな人と夜更かしの長電話をした。
 もう明日が早いから切らなくてはと言いながら、わたしがあと2回残っている18きっぷの使いみちについて話すと、話は終わらなくなった。

 彼は、あそこに行ってみたい、あーここもいい、とほんとうに今すぐ飛んでいきそうな声を出す。
 わたしは携帯電話を片手に、その町をネットですぐに検索してみる。
 ふんふん、と相槌を打ちながら、もうわたしの頭の中はそのうちのどの町にどんなふうにして行こうかという思いでいっぱいになっている。

 旅に出られないくらい忙しい彼のために、わたしが行くのだ。
 なんて言うと、怒られるだろうけど。
 今日のような出会いがあると、じっとしてはいられない。
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by fastfoward.koga | 2007-08-14 23:43 | 一日一言