言霊の幸わう国

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あわてないあわてない、ひとやすみひとやすみ、せずにがんばる

 向ってくる波に対しじいっとタイミングを計って、うまく捉えられるようにと息を殺していた4週間。
 今日で、怒涛のスクーリング月間が終わる。
 無事、風邪も引かずに乗り越えられた。

 ここに11月は忙しいと書いたり、顔を合わせたときに話したりしたものだから、何人か友人に「忙しいんやんね」と声をかけられた。
 人様からそう言われると、どうも「うん、大変やねん」とは返しづらい。
 結局、「うん、ちょっといろいろ重なってて。でも自分が選んだことやし」と言うはめになる。
 でも気遣ってもらったことは、とてもとてもありがたかった。

 どのスクーリングも考えさせられることが多く、ここに書くにはもう少し熟成させる必要がありそう。
 書くことを学びに行って、生き方について何度も考えた。
 でも今はそこに頭を使うのは小休止して、来週の試験勉強をしなくては。

 あとちょっと、あとちょっと。
 気を抜かずに、がんばろう。
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by fastfoward.koga | 2010-11-28 21:08 | 一日一言

ぐずる

 昨日、友人Y嬢に電話をした。
 数時間前に出先から電話をしたのだけれどつながらず、そのときはちょっと聞きたいことがあっただけでもう用事は済ませていたから、ほんの少し話したら切るつもりでいた。
 朝は電車で寝過ごしてしまいそうになったり、夕飯を食べていても思わず箸を置いてしまうくらい疲れていたから、電話の子機を握ったときは寝てしまいそうだった。
 でもいざ話し始めると、止まらなくなったのはわたしのほうだ。

 電話の向こうでは、Y嬢のこどもふたりが『トイストーリー』を見ていた。
 わたしたちの会話の合間に、仲よく話す兄妹の声がときどき聞こえてくる。
 1時間弱ほど話をしていると、途中で妹のほうがぐずりだして電話口までやってきた。
「眠いみたい。」
 そういう友の母親の声を聞いたら、わたしも眠いとぐずりたいーと口に出してしまった。

 毎日、仕事以外の時間でなにをどれだけできるか考えている。
 眠いとなにもやりたくなくなる性格なので、心身のバランスをいかにとるかを最優先にし、通勤電車ではこの本を読んで、帰ったら寝るまでの間に少し考えたことをまとめて、課題にとりかかるのは週末にしようとか。
 仕事も山積みで毎日くたくたになって自分をボロ布みたいだと思う日々だけれど、いつだったか部屋のカーテンを開けて閉めるだけの毎日だと思ったことを考えれば、大学に行き始めてからの、特にこの数ヶ月は同じだと思う1日はなかった。

 ぐずらず、もう少しがんばろう。
 っていうか、ぐずれるのは誰か相手がいるからできるんだよな。
 ひと段落着いたら、ぐずってもいいっすか。
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by fastfoward.koga | 2010-11-23 21:52 | 一日一言

パンク

 その人の名を口にしたのは、おそらく3年、いや4年ぶりぐらいだったろうか。
 スクーリングに聴講生として参加していた女性が、関西のある有名な雑誌の編集部に籍を置いていたと紹介されたとき、わたしはその人の名を思い出した。
 彼のことを話題にしようとこちらから話しかけたのに、いざその人の名前を言おうとしたとき、一瞬ためらった。
 もしかしたらよく知らない、と言われるかもしれないとも思っていた。
 でも彼女は開口一番、彼が尊敬していたアーティストの名前を出し、「○○がすきな方ですよね」と言った。
 その意外な返答に、わたしはしどろもどろになって話さなくてもいい彼の昔のプロフィールと自分が彼とどのように出会ったのかを説明した。
「パンクな感じですよ。去年、お子さんができたけど、パンクなままで。」
 彼女の言葉に、戸惑った。

 あとでひとりになったとき、自分がその人の話題をわざわざ持ち出したのはいったいなんのためだったのかと考えた。
 消息が知りたかったのか、ただ自分が彼を知っているということを伝えたかったのか、その名を口にしたかっただけなのか。
 なにかがわかったからといって、もう何年も、携帯を替えるたびに連絡先だけを移動させているその人へ連絡できるきっかけになるとも思えなかったけれど、どこかでなにかを求めて、わたしは自分よりも彼に近いと思われた彼女にわざわざ声をかけた。
 でもこどもがいると聞かされるとは、まったく予想していなかった。
 結婚したことすら知らなかったのだ。
 それが予想できないことではないものの、そこで生まれたためらいから、わたしは頭に思い浮かんだ質問を彼女に聞くことはできなかった。

 何年前のことになるのだろう。
 大きな公園脇に車を止め、彼は運転席、わたしは助手席に座り、並んで話をしたことがあった。
 季節はたぶんちょうど今頃、冬の入口で、まっすぐ伸びた道から視線をすっと持ち上げると空には月が出ていた。
 満月ではなかったけれど、その大きさは充分わかる程度に丸かった。
 いったいなぜそんな話題になったのか、もう思い出すことはできないけれど彼は言ったのだ。
「こどもができて、それが娘やったら、絶対結婚なんてさせへん。」
 いわゆる親バカになるんや、とわたしは口に出したかどうか忘れたが、彼が力強く言うもんだからそのばかばかしさに笑った。

「お子さんは、男の子ですか。女の子ですか。」
 あの日の夜のことを一瞬で思い出したけれど、聞いてどうなるのだ。
 自制心が働いて、口にはしなかった。

 スクーリング終了後、学友をひとりふたりと車で送り、最後にIさんひとりを京都駅へ送る道すがら、渋滞する烏丸通で暮れてゆく景色に寂しい感じがするねえと話していた。
 わたしはハンドルを握りながら、暮れてゆく冬の夕刻に、彼の車に初めて乗せてもらったときのことを一瞬思い出した。
 たぶんその思い出は、今日彼の名を口にしたから思い出したのではない。
 あの夕方から、秋と冬の夕暮れどきに車に乗っていたら、何度も思い出されたことなのだ。
 でも最後にIさんが車を降りひとりになったら、急に彼のことばかり考え出した。
 彼と関わった10数年のいろんなことが、自然に連想ゲームのように思い出された。

 車は再び渋滞に巻き込まれ、耳はかけっぱなしになっていたくるりの音楽に吸い込まれた。
『さよなら春の日』をじっと聞き入っていると、さっき思い出したこととオーバーラップして、流れた歳月が重みをもって押し寄せてきた。
 そこでふっと我に返る。
 思わずオーバーラップさせた記憶と音楽だけれど、実は記憶のほうがさらに10年昔のことなのだと。
 急に自分が老いたのだと感じた。
 記憶と感覚がまったく違う時間のものなのに一緒くたにするなんて。
 そして改めて感じた時間の長さに、自分はもうすっかり違うところへ辿り着いているのだと、その事実を噛みしめた。

 彼はもうわたしのことを思い出したりしないだろう。
 でもわたしは彼の名を声に出して言ってみた瞬間から、スポットライトを浴びたように突然彼のことを頭の中で再現できた。
 そこにとても大きな差異が生じた気がしたけれど、わたしが初めて会った彼女にわざわざ彼の話題をしたのは、そんなことを知るためじゃない。

 かつて彼の誕生日に、「わたしはあなたが考えて考えて決めたことは、あなたらしいと思うと思う」と言ったことがある。
 彼は「それじゃあ逃げ道がない」と苦笑いしたけれど、ちゃんとその思いに込めたものは受け止めてくれた。
 20代のころは、ずっと2歳年上の彼の背中をわたしは追っていた。
 彼が先を行くから、わたしはそのあとを信頼してついていくことができた。
 でもいつしかわたしは自分の意思のもと、別の道を進んだ。
 正直、そんなに離れてしまう道だと思ってはいなかったけれど、選んだのは自分だ。
 あれからずいぶん時間が経って、確実に違うものを持つようになったはずなのに、なぜか今彼に会ったとしたらと想像しても、なんにも変わらないと言ってしまいそうな気がする。
 彼の前では、わたしはずっとうじうじぐずぐずした人間なのだ。

 それでも、伝えたいことがある。
 変わらずパンクなあなたのままでいてくれたことは、すごく勇気が出る。わたしはあなたのおかげで深くて長い水の底を耐えることができました、感謝しています。
 そう伝えたい。
 そしてそれが、わたしが数年ぶりに彼の名を口にした理由なのだと思いたい。
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by fastfoward.koga | 2010-11-22 23:02 | 一日一言

邪魔くさいいきもの

 書いていて、キーボードを打つ手が止まると途方に暮れる。
 書いていて、キーボードを打つ手が止まらないとこれでいいのかと思案する。

 迷ったら、迷うなーと思うし、迷わなければ、それでいいのかーと言う自分が登場する。
 迷って失敗したら、考えすぎだと思うし、迷わずに失敗したら、疑念を持たなかった自分を責める。

 なんて、わたしは邪魔くさいいきものなんだ。

 と、思いながら、でも書く。
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by fastfoward.koga | 2010-11-14 21:22 | 一日一言

なにもないことなどない

 15日必着の卒業制作の草稿を、今日も大学の図書館で、必死になって書いていた。
 買いても書いても物足りず、きもちが引っ込んでしまいそうになったから、本棚から馴染みのある作家の小説をいくつか抜き出した。
 小説の構図を、呼び起こしたかったのだ。
 道標を胸に抱えて陣取った席に戻る途中、自分にはなにもない、という言葉が頭を過ぎった。

 なにもない、なにもない。
 呪文みたいに、頭の中でくり返した。

 でも、ほんとうはなにもないわけじゃない。
 ただ自分が期待するもの、望むもの、今胸に抱えているようなものがないと思っているだけだと、言い聞かせた。
 でなければ、自分がそれまでに書いた拙いなりの文章はいったいなんなのだ、と思ったのだ。

 そうして、今日も陽がどっぷり暮れて閉館30分前のアナウンスが流れるまで、思う存分書いた。
 指定された途中の場面を書けるほど器用じゃないから、頭の中にある物語を初めからずっと書いていった。

 ばっかじゃないの。
 途中、時間がないのに書き込む自分に突っ込んだ。

 でもいつか、役に立つだろう。
 今日の日は、いつかわたしの血となり肉となる。

 リミットは明日の昼と決めた。
 とりあえずこれを出したら、ひとヤマ越える。
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by fastfoward.koga | 2010-11-14 00:26 | 一日一言

うどんとふとん

 仕事から帰ってきて、部屋に入っていつものように机の前のイスに腰かけた。
 ぼけっとテレビを見ていたら、無性にイライラした。
 今この瞬間、自分ではどうしても埋められない穴を見つけてしまい、なにもかもわからなくなった。
 結局、ずっとしないように気をつけていたのに、親に八つ当たりしてしまった。

 お風呂でお湯に浸かっていたら、わーんと叫びたい気分になった。
 まだ消えきらないイライラと八つ当たりしたこととそれを宥められたことが悔し悲しくなって、じわっと涙が滲んだ。
 お湯で何度も顔を洗い、お風呂から上がった。
 
 昨日の夜のことだ。

 今日は、ノー残業デーで定時で帰るからと、数日前から夕飯にうどんすきが食べたいとリクエストしていた。
 帰り道お腹が空いて、歩きながら「うどんすき、うどんすき」と口ずさんでいた。
 そう遅い時間でもなかったのにチチハハはすでに食べ終えていて、玄関を開けるとふわんとおだしのいい匂いがした。
 食卓に姿のないチチについて尋ねると、食べたら熱くなったから2階にもう上がったと、ハハは言った。
 
 煮込み用のうどんは、太かった。
 熱々のおだしと野菜と鶏肉と共に、お鍋の中をきれいに平らげた。

 おなかもいっぱいになったし、体も温まったし、睡眠も不足しているから、気になることはたくさんあるけれど今日は早く寝ようと思う。
 冷え込みに備えて冬用になったおふとんは、ぬくぬくしてわたしを待っている。

 今夜は、昨日の分も満たされて眠るのだ。 
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by fastfoward.koga | 2010-11-10 20:35 | 一日一言

10月の巻

1  コレット    シェリ
2  絲山秋子   ばかもの
3  吉田修一   パレード
  

(テキスト)
・星野道夫   イニュニック〔生命〕  
・片岡義男   一日じゅう空を見ていた
・片岡義男   文房具を買いに


 先月でようやく50冊を超えました。
 今年も100冊は遠い道のりになりそうです。
 読みかけの本は史上最高となり、机と枕元には合計10冊にのぼっています。
 性格的に、読み終えていない本があるという事実がすっきりしないのですが、そのことを考えるとにっちもさっちもいかなくなるので、今は事実に蓋をしています。

 それよりも、19日からのスクーリングでは6作家×3作品を読んでこいという指示が事前にあるため、今は必死です。
 あと、8冊と半分くらい残っています。
 果たして、わたしは読みきることができるのでしょうか・・・。
 どうせなら楽しんで読みたいと思うばかりです。


 さてさて先月読んだ本ですが、コレットの『シェリ』は卒業制作で書く小説の参考になると思うと、先生から薦められました。
 ふむふむと読んだあと、ネットニュースで映画が公開されることを知り(『わたしの可愛い人―シェリ』)、偶然に後押しされているような気がしました。
 この作品は50歳目前の主人公レアと19歳の若者の恋愛を描いているのですが、発表されたのは1923年とかなり昔です。
 それが今映画化? と疑問に一瞬思いましたが、ふと今の時代にあっているのかもしれないと思い直しました。
 いやいや、若い女性や男性がどんなふうに見るのかわかりませんけどね。
 おそらく、ターゲットは30代以上の女性でしょうから。

 予告を見る限り、映画はある程度原作を忠実に描いているような気がしますが、わたしは原作のラストは思わず呻きました。
 女は強くいきてゆかねばならないのですよ。特にひとりだとね。ハイ。
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by fastfoward.koga | 2010-11-08 21:28 | 本の虫

怒涛の11月

 今月は怒涛の1ヶ月。
 スクーリングが週末に3回。
 空いているのは、来週だけ。
 15日は卒業制作の課題の提出締め切りで、12月の初めは試験。
 いつ勉強するんだ? と、冷静に自問自答するときほど、仕事は忙しくなるものだ。

 11月1日。
 大丈夫か、自分。
 という問いかけから始まった今月も、3日の祝日で小休止。
 今日は1日ゴロ寝しようと心に決め、うだうだして過ごした。
 もったいなかったというきもちも心の隅にあるけれど、あの怠惰がなければあとがきっと続かない。
 これからやればいいのだ。

 今日は会社を休んで、金土日と3日間続くスクーリングの初日に出席。
 なぜか受講生は少ないんじゃないかと勝手に思っていたら、意外に多かった。
 教室をキョロキョロ見回し、知った顔がいないか探してみる。
 あの人がいないなとか、この人は来たのかとか、思いながら見ていると、いたいた。
 90歳の、コース最高齢のおじいちゃんが久々に来ていた。

 今年初めのスクーリングでは4月からピースボートで90日間船旅に出ると言っていたので、旅はどうでしたか? と尋ねると、授業のあとにお茶でもと、学友Tさんと共に誘ってもらった。
 この方、元々は洋画コースで入学しているので、旅の間はずっと絵を描いていたと、12月にそのときの絵で個展をすると案内状をくれた。

 スクーリングに出ると、やっぱりがんばらなくては、といつも思う。
 いろんな年齢のいろんな職業の人がいろんな場所からやってきて、勉強していることがよく見える。

 ついつい頭でっかちになって考えすぎてしまうけれど、やっぱり明日からまたがんばろう。
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by fastfoward.koga | 2010-11-05 22:06 | 一日一言