言霊の幸わう国

<   2012年 04月 ( 8 )   > この月の画像一覧

引く

 気の進まない飲み会。
 会っつっても、ふたりだけど。
「めんどくさいなら、行かなくていいんだよ」と言われたりもしたが、これを越えないと次の恋愛はない気がするんだよなあ。
 相手が盛り上がれば盛り上がるほど、怖いぐらいにきもちが引いてゆく・・・。 
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-30 21:50 | 一日一言

決して波に飲まれるな

 書こうとして書けなかった2週間ではなく、書くエネルギーが湧いてこなかった2週間。
 毎日なにかに追い立てられるように、暮らしている。
 日々、ふいに立ち止まり考えることはある。
 いくつもある。
 けれど振り返ると、目が回りそうだ。

 首まで水に浸かり、鼻先で揺れる飛沫に飲まれないようにするので精一杯。
 でもその先にあるものを信じて、泳ぎ続けている。

 今、溺れてしまうわけにはいかなくて。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-29 20:59 | 一日一言

上り坂

 先週は大半が5時に起き、7時半には仕事を始め、夕方も残業して帰るというハードスケジュール。
 毎日くたくたで、うちに帰ってきても簡単な食事を作って、洗濯して、シャワーを浴びて寝るのが精一杯。
 散らかってゆく部屋には、ずっと目をつむっていた。
 そうしてなんとか辿りついた5日目の金曜日。
 最後にきた、ドカン。
 土曜日は久しぶりに長く寝たはずなのに、朝から頭痛がしていた。
 それでも、決めていたことはやってしまおうと、携帯ショップに出かけた。

 手にしたスマホはなかなか思うように動いてくれず。
 帰りの電車の中でもずっと触れていた。
 けれどうちに着いたら、力尽きたように眠った。

 年が明けてから、少しずつ身の回りの持ち物を買い替えていた。
 財布、カバン、シャンプー、そして携帯。

 買い足すことと、買い替えることの意味は違うと思う。
 買い替えることは、まさにチェンジ。
 違うステップに上がる気がする。

 なにかに備えている感覚。
 きっと次の年齢、39歳に向かっているのだけれど、この春、それだけチェンジしてもきもちが上がりきらない。
 重石のように引っ張るものはなんなんだろう。
 睡眠不足の頭ではいつも思考は入口で止まってしまい、なかなかその先に進まない。
 でも、今ギアをニュートラルからローに入れたところだと思えば、気は楽になる。

 左手でギアをチェンジし、右手でアクセルを回す。

 久しぶりに今日ベスパに乗ったとき、春を感じた。
 緩い陽射しに温められた空気は、走り出したらすぐひんやりした。
 温かい膜を切り裂くように前に進んでゆくと、中から冷たさが湧き出てきた。
 空気の境目。
 季節の変わり目。
 その中途半端さが、不完全で心地よかった。

 ただ今、前進中。
 悩むことなかれ。
 ただ前に進むべし。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-15 23:18 | 一日一言

かさかさ

 つり革を握りながら、窓に映った自分を見ていた。
 そこまで明確ではないけれど、目の下のクマがひどくなっているのはよくわかっていた。

 手の甲を見る。
 潤いがない。
 髪に触れる。
 先日の日曜日、珍しく長い時間外にいたためパサついている。

 知らず知らずのうちにふうっと息が漏れる。
 
 カバンを肩にかけ直した瞬間、隣に立つ女性の手元に視線が動いた。
 文庫本を支えている指先には、ラインストーンをほどこしたネイルアート。
 
 毎日、夕方になると今日うちに帰ってすることを考える。
 ゴハンを作って、選択をして、眠るまでにあとはいったいなにができるのか。
 今日は迷わず自分にかまおうと決めた。

 そうしてがっくり肩を落とす自分。
 毎日ともにいるはずの自分の姿に、驚いた。
 かまっていなかった時間は、確実にその跡を残している。

 ・・・気を取り直して、がんばろ。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-10 22:47 | 一日一言

第八夜の東京タワー

 東京オペラシティでのコンサートの始まる6時間半前、わたしはまだ大阪にいた。
 9階から2階へと階段を駆け下りながら、歌っていたのは『天気読み』。
 誰もいないことをいいことに、ハナウタよりももっと少しくっきり歌っていた。

 予定より30分遅く会社を出、急ぎ足で新幹線に乗る。
 遅れた昼食をとり、1週間分の睡眠不足で楽しみが半減しないように、少し眠っておこうとシェイドを下げて目を閉じた。

 小沢健二ことオザケンが、約2年ぶりにコンサートをやると聞いたとき、胸が踊った。
 けれど今度は全国ツアーではなく、会場はすべて東京オペラシティ。
 でも、きもちはひるまなかった。
 わたしが行けばよいのだと思えることは、心強かった。

 1泊分の荷物を下げてキラキラした東京オペラシティの中に入ると、すぐにクロークを案内された。
 その日のトーキョーは暖かく、翌日の気温に合わせて着ていたニットカーディガンは重さとなって肩に引っかかっていたから、カウンターで大きめのカバンとともに差し出したとたん身も心も軽くなった。
 そのままグッズ販売のコーナーを流し見て、向かった先はロビー奥。
 弾むようにカンターの向こうに「ビール!」と注文すると、出てきたのはキンキンに冷えたアサヒスーパードライ(小瓶)とこれまたキンキンに冷やされたグラス。
 ドンピシャな銘柄とビールをおいしく飲むための心配りに、まだグラスを口元にさえつけていないというのにくらくらした。
 ロビーには、思い思いにおしゃれしてきた人たちが溢れていた。
 それを眺めながら、わたしは早すぎず遅すぎずのペースでビールを飲み干した。

 階段をくるくる回り、チケットに書かれた席に辿りつく。
 シートに体を埋め、ステージを見下ろし、会場をひとなめして見たら、その空間に身をおいているだけで泣けそうだった。

 開演時間は、そう遅れてはいなかった。
 時計が開演時間の18時30分をさしたころ、SEはメトロノームの音に替わっていた。
 規則正しく刻まれるリズムに、思考が止まる。
 もう覚えていないくらいのたいしたことではない思考がすうっと時間の後ろに流れてゆき、ステージを覗き込んでいるとステージ中央へと歩いてゆく人の姿が、暗がりの中で見えた。
 その人は、東京スカパラダイスオーケストラのキーボーディスト、沖佑市氏。
 まだ照明が照らされていないステージで、彼はオルゴールを鳴らす。
 そして手にした本から文章を拾い上げ、第八夜のオープニングを飾った。
 わたしはいよいよ始まったことにうっとりし、その内容がなんだったのか、ほとんど覚えていない。
 ただ最後のほうで、ステージの背後に影絵で牝鹿が映し出されたら「女の子と、女の子の気分の人が歌ってください」、牡鹿だったら「男の子と、男の子の気分の人が歌ってください」、他には立ったり座ったりするタイミングを示す影絵を説明をしてくれた。
 ずいぶん上のほうから見ているわたしには少しわかりにくい合図だったけれど、そんな趣向がオザケンらしくてわくわくした。
 沖氏はそのあと、オルゴールをもう1度鳴らしてステージをあとにした。

 そうして始まったコンサートの1曲目は新曲だっただろうか。
 ひとりステージに現れた彼、小沢健二は、確か歌う前にぐるりと会場を見渡した。
 もちろんわたしがいる彼のはるか頭上の席までも。
 少しはにかむようなその表情に、思わず手を振りたくなった。

 ステージに上ったメンバーは、前回に比べれば少人数。
 コーラス、ベース、そして今回はヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽四十奏。
 合間には前回のツアー同様に朗読があり、次に歌う曲へと続くエピソードが展開される。
 わたしのすきな『天使たちのシーン』の前には、「belief」についてのお話。
 日本語に訳すと「信者」ともなるその言葉について、彼はとうとうと話してゆく。
 そのときは、あと流れたイントロで次の曲が『天使たちのシーン』だということはわかったけれど、どう関係しているのかはまったくわかっていなかった。
 8分近い曲を口元だけで口ずさみ、やっと最後にそのストーリーの意味を知る。
「神様を信じる強さを僕に
生きることをあきらめてしまわぬように
にぎやかな場所でかかりつづける音楽に
僕はずっと耳を傾けている」

 そんなふうに、コンサートは小さな伏線を残しつつ音楽を奏でてらててゆく。
 その時間が積み重ねられてゆくたびに、彼が伝えようとしていることが膨大な量だということに気づき始めた。
 量を伝えるには、単純に時間がかかる。
 けれど彼は、それを時には熱情で伝えようとする。
『強い気持ち・強い愛』では、相変わらず長くて細い脚、左足を何度も何度も踏み鳴らして歌った。
 ある時を境に(と、わたしは思う)、彼が作り歌う歌は愛の溢れるものになった。
 その熱くて重い思いを受け止められない時代もあったけれど、この日はステージを見つめながら脳裏では自分の過去の恋愛模様が過ぎっていた。
「ラブリー」な詩が、その晩はするする頭に入ってゆく。
 入った言葉は、さあっと脳に沁みこんでゆく。
 その名でこれだけの人を集め、会場全体で人を幸せな気分にさせることができる彼を、いい、と思った。
 過ぎ去った時間の中でぐるぐるといろんなところへ巡った結果、わたしもカドが取れたのだろうか。
 道筋を自分の中で描いてみたら、くすりと笑みが洩れた。

 
 終演時刻は、22時15分。
 人身事故による運転見合わせなどに巻き込まれながら、品川駅前のホテルに到着したときにはもうあと少しで日付が変わる時間になっていた。
 いったんチェックインしたあと夕食を、と思っていたエレベーターホールからは赤い灯りをまとった東京タワー。
 コンサートのステージでも東京タワーは影絵で何度も映し出され、彼も何度もそのフレーズを歌っていた。
 0時になったら消えるその灯りのことは知っていた。
 けれどあまりに遅い夕食にありつけたところで、頭から消え去っていた。
 ただ、煌煌と店内を照らし出すファミレスの窓に映る自分の面持ちを、こんな時間にこんな場所にいることを不思議に感じていただけだった。
 再びエレベターが上ってゆきホールでさっきと同じように窓の外を見たとき、それまでの余韻すらも消えたような気がした。
 急に魔法がとけたかのように、きもちは静かにしぼんでいった。
 部屋に戻り、明日の起床時間を気にしながら寝支度に入る。
 荷物を広げ、カバンにしまう。
 シャワーを浴びたあと、あきらめきれずにカーテンを開けた。
 するとそこには再び灯りをともした東京タワー。
 そこから眠るまでの短い間、何度もその姿を確認した。
 
 今回の小沢健二のコンサートタイトルは「東京の街が奏でる」という。
 その日1日のうちの何分の1か、トーキョーで過ごした時間は必然だったんじゃないかと酔いしれて眠った夜。
 誰に会いに行った夜。
 それはそれは、うっとりするような幸せな時間で。 
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-08 21:27 | 一日一言

いざオザケン!

向かうは、トーキョーオペラシティ!
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-05 17:35 | 一日一言

3月の巻

1 それでも三月は、また・講談社
2 内田百閒   第一阿房列車・新潮文庫 ※
3 川上未映子 すべて真夜中の恋人たち・講談社
4 山崎ナオコーラ
           論理と感性は相反しない・講談社文庫
5 山崎ナオコーラ
           男と点と線・新潮社文庫


 旅先でその町の本屋に行くのは、楽しみのひとつです。
 今回の香川への旅では、山崎ナオコーラの『男と点と線』を用意していましたが、渋滞に巻き込まれた高速バスの中で4分の3ほど読んでしまいました。
 そこで高松市内を散策中、ある駅の近くにある本屋に行きました。
 しかしそこは見事なまでに流行りだけを置く書店で、文庫コーナーと文芸書コーナーを3巡ほどしましたが、1冊の本も選べず、あきらめて店を出ました。

 今晩、もしくは明日早くに本を読み終えてしまったら。
 そう思うと、不安になりました。
 他にどこか本屋はないだろうかと、おみやげと夕飯を食べるお店を探しがてら、繁華街へ向かうと、うまい具合に大きな書店が2店舗見つかりました。
 ひとつは、さきほど立ち寄ったのと同じ書店。
 どんなものだろうと巡回を始めると、意外にこちらの店舗はすぐに手に取れる本が見つかりました。
 いくつもの背表紙を見ているうちに、まだ山崎ナオコーラが読みたい気分になっていたので、結局『論理と感性は相反しない』を購入しました。
 1冊の本を手にしただけで、お腹はまだ満たされていないのに、とてもほおっとしました。

 山崎ナオコーラは、卒業研究で小説を書くときに何度も読み返していた作家です。
 入り込んで書いて、ふと我に返ったとき、自分が書こうとしているものがなんだったのかわからなくなることがよくあり、そういうとき、自分の立ち位置をニュートラルに戻すときに読みました。
 小説とは。
 それがなんなのか言葉では説明できませんが、読んでいれば自分の中にその答えが沁み込むような気がしていたのです。
 現に読み返したあとは、スッキリしたきもちで作業に戻れました。

 彼女の書く作品には、ひねったりこねくりまわした表現はありません。
 難しい言葉も使われません。
 平易ではありますが、単なる平易でなく、センスがよいのです。
 それはあちこちで評価されていますが、読んでいると、あぁ、うまいなあと、わたしもよくうなります。
 
 エンターテイメントではない、これこそ小説というおもしろさ。
 それを彼女の作品に感じます。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-01 20:07 | 本の虫

京都音楽博覧会、開催決定!

 昨日の夕方、京都音楽博覧会開催のお知らせがメールで届いたときはほんとうにうれしかった。
 今までで1番うれしかった。

「また来年」
 そう岸田くんが言わなかったから、もしかしたらないのかもと思っていた。

 梅小路公園の隣には賛否両論の水族館がオープンしている。
 屋上にはイルカがいるらしい。
 イルカの耳にも、くるりの音楽は届くのだろうか?

 これで9月まで生き延びられる!
 今年はそんなふうに思った。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-04-01 00:08 | 一日一言