言霊の幸わう国

<   2012年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧

39

 恋をした。
 相手は、とびきり若い。
 昨年卒業研究で、25歳の主人公が15歳年上の彼女に振り回されて島根を旅する小説を書いたけれど、そんな年齢差のシチュエーションが自分にふりかかるとは思ってもいなかった。
 驚きだ。
 でも、気づいた。
 惹かれているとか、気になる、ではなく、恋をしたのだとその夜眠りにつこうとした瞬間、自覚した。
 けれど面倒なのは、自覚はしたけれどすんなり事実を認めなかったことだ。
 気づいてからずっと、心の中にある保存庫に納めていた。
 ときどき中を覗き込んで、このきもちはなんなのかと、フィッティングルームで洋服をあれこれ試着するみたいに言葉を当てはめた。
 そうしてやっと10日たって、初めの一文が頭に過り、ここに書いた。
 でも状態的に言えば、正しい表現ではない。
 いい大人が、数日考えてどんどん遠くなるその一時だけを捉える表現しかできないのは、往生際が悪いと思う。
 でも悲しいかな、今は事実と認めた思いを自分でもてあましている。
 いつだって恋をしたら、体の中のコンプレックスが急にむくむく動き出すタイプなのだ。
 今の状況は、それに拍車をかけるにはもってこいだ。
 アクセルは全開、スピードは留まるところをしらない。
 わたしがもっと若かったら、口にしたくない台詞も喉元にせりあがってきた。
 けれど、言い出したらキリがない。
 あと10歳、いや15歳若かったとしても、わたしは言い訳や逃げ道を探したはずだ。
 だったらせめて、年齢のせいにはしたくない。
 自信はなくとも、臆病風に吹かれても、今立っている自分は振り返れば続いている道を歩いてきたのだから。

 そうしてわたしは、毎夜彼が健やかなる日々を過ごせるようにと祈る。
 先のことはわからないし、あえて考えたりしない。
 スマホでは書くという感覚からはほど遠いが、今しか記して残せないという思いが自分を突き動かした。
 寒空の下なにやってんだか。
 でも書いたら、きもちがすっとした。
 明日も彼に笑って話しかけれると、いい。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-11-26 20:35 | 一日一言

エイトに変身!

 数ヵ月前からパソコンの調子が悪く、今日Windows8を購入。
 これでこれまでのようなパソコンライフを取り戻せるかと思っていたら、プロバイダーなど諸々の事情によりしばし更新できそうになく。

 更新頻度が低いのでなにをいまさらではございますが、来月上旬まで休みますー。
 だんだん寒さが増しますので、みなさまお体ご自愛くださいませ。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-11-24 23:35 | 一日一言

それは失恋に似た

 見知らぬ街は、カバンが軽くなった分心細さを呼び込んだ。
 大きな交差店はすっかり陽が暮れて暗くなり、通り過ぎる車のヘッドライトが煌々として見える。
 信号が変わるまでの間、通りの向こうに立つ人をぼんやり見ながら、失うことについて考えていた。

 30年以上付き合ってきたキティちゃんの目覚ましが止まってしまったのは、ほんとうに突然だった。
 朝はいつもと変わらない音で目覚めたのに、夜お風呂上りに見た文字盤は10時55分ごろを指していた。
 11時を過ぎていないわけがない。部屋にあるもうひとつの時計を見ると、時刻は23時10分。
 なんだ電池が切れたのかと、後ろの小さなフタを外した。
 中にはエボルタの単三電池。
 それは、ひとり暮らしを始めてから買って、取り替えた電池だった。
 止まるわけがない、そう思いながらも新しいものに取り替えた。
 秒針は動かない。
 後ろの小さな螺子を右に左に動かして、時計の針を操作する。
 もうひとつの螺子で、目覚ましの時刻を変えてみる。
 軽く振る、さする。
 でも秒針は、動かない。
 そこまでやって事実を認識したあと、思わず手で顔を覆った。

 その日から、朝は携帯のアラームを使っている。
 携帯を枕元に置いて寝るのはすきではないけれど、仕方ない。
 動かなくなったからとはいえ、他の目覚ましを買うなんてことは考えられなかった。
 買うとしたら、という想像すらできなかった。

 1軒目の時計屋さんに修理に持っていったとき、直してほしいと思ってはいたものの、内心カバンから出すのはほんとうは少し恥ずかしかった。
 だからつい言い訳のように、「30年くらい前のものなのだけれど、長年使ってきたもので」とキティちゃんを差し出した。
 けれどお店の年配の女性はこう言った。
「まあ、きれいに使われて。分身みたいなものよね」
 その言葉で、救われた。

 結局、そこでは「部品がない」と数日で戻ってきた。
 それは預けたときから言われていたことだったので、すでに次のお店のめぼしをいくつかつけており、次は会社からひと駅ほど歩いたところにある時計材料店を訪れた。

 そこでの第一声は、「30年前の腕時計ならたいていのものは直せるんやけど」だった。
 期待はしないようにと心のどこかでブレーキはかけていたものの、できることはしてほしい、という思いはかえって強くなっていた。
 お店の人には、「直っても、音はもう鳴らないですよ」とハッキリ言われた。
 一瞬最後通告を突きつけられたような気になったけれど、すぐさま、針の動かないキティちゃんを見ているよりはいいと思い直した。
「それでもいいです」
 そう言って、再びキティちゃんを時計屋さんに引き渡した。

 帰り道、冷たくなった風につられて上着の前をあわてて合わせた。
 そのポーズは、余計に自分を寂しくさせた。
 いかんいかんと、背筋を伸ばす。
 でも、交差店に立って目の前を行きかう車の流れを見ていたら、ひとり置いてけぼりにされた気になった。
 もう音は鳴らないのだ。
 事実は受け止めなければと、心の中で言い聞かせていると涙が滲んできた。
 右折レーンの車が動き出した。もうすぐ信号が青になる。
 でも、音が鳴らなくても、動いてさえくれれば。そう願った。

 もしなにも変わらないまま帰ってきたとしても。
 あの子はわたしの永久欠番だ。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-11-11 17:28 | 一日一言

光陰矢のごとし

 びっくりした!
 前回更新が10月13日。
 大変ご無沙汰しております。
 なにが忙しいわけでもなく、ただパソコンの調子が悪いとか、ちょっと鬱っぽいとか、帰ってきてぼんやりしてるとか、くるりのライブに2日も続けて行ったとかいうだけなのです。

 元気にしております。
 ただ、いろんなことを毎日考えているのに、あぶくのようにそれは消えてゆきます。
 いや、記さないから消えさせているのです。

 最近は、帰りの電車でスピードラーニングを聴いています。
 一向に上達しません。
 ベラベラまでは先が長いですが、上達しようなんて欲は出さずに今はただひたすら聴こうと思っています。
 
 次は間隔を空けずに書きます。
[PR]
by fastfoward.koga | 2012-11-08 23:15 | 一日一言