言霊の幸わう国

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こぼれ落ちる

 今日は、すきな人の姿を見に行った。
 行きすがら、すきな人のいる元へ向かうというのはなんとその人への愛しさが増すのかと、その思いを噛みしめていた。

 今までで1番長い時間、彼の姿を見ていた。
 手を開いたり閉じたり。
 指を組んだり、掌を合わせたり。
 忙しないのはわたしひとり。
 遠くに見える彼のほうが、よっぽど落ち着いていただろう。

 そうしているうちに、小指から指輪がなくなっていることに気づいた。
 いつなくしたのか、きっかけがなんだったのか、それすらもわからない。
 いったんうちに帰ってまた元の場所へ戻ったけれど、どこにも気配はない。

 帰る道すがら、ベスパのアクセルを緩めたところで小指を曲げた。
 それはなんてことのない動き。
 第二関節あたりまでずれた指輪を、付け根に戻そうとしていたのだ。
 その動作に、思い当たるふしがあった。
 今日どこかで何度かくり返した仕草。
 なくなるはずはないと思っていたけれど、やっぱり指をすり抜けて落としてしまったのかもしれない。

 いつもと違う場所に立つ彼の姿は、新鮮で愛しくて、でも少し寂しく感じた。
 彼について知らないことが、たくさんある。
 もっともっとと湧き出し欲する思い。
 指輪はそれに流されていってしまったのだと、思おう。
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by fastfoward.koga | 2013-04-27 20:59 | 一日一言

発火

 触れなくても、間にあった空気に熱を感じた。
 かすかな熱。

 捕らわれるのと溺れるなら、つまらないプライドにがんじがらめになっているほうがいいと思っていた。
 でも今は捕らわれてこの恋を台なしにするくらいなら、いっそ溺れたほうがいいと思う。
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by fastfoward.koga | 2013-04-11 23:26 | 一日一言

更新情報 14 (図書室)

 久しぶりに更新しました、「コガ図書室」
 ちょびちょび登録していましたが、あれよあれよという間に、蔵書は1065冊です。

 先日実家に帰ったとき、少し本を整理(処分)しようかなと思ったのですが、背表紙を眺めていると、その本を選んだときのこと、読んで感じたこと、読んでいるときに起こった出来事、読み終わったあとまた読み直したことなどが額のあたりを駆け巡りました。

 また、いつか。
 いつかね。
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by fastfoward.koga | 2013-04-08 22:46 | 本の虫

3月の巻

1  万城目学   かのこちゃんとマドレーヌ夫人・角川文庫
2  本谷有希子  生きてるだけで、愛・新潮文庫 ※
3  宮部みゆき  名もなき毒・幻冬舎 ※  
4  石持浅海   Rのつく月にはきをつけよう・祥伝社 ※
5  向田邦子   夜中の薔薇・文春文庫 ※ 
6  山崎ナオコーラ
            カツラ美容室別室・河出書房新社 ※
7  綿矢りさ    憤死・河出書房新書  
8  朝井リョウ   何者・新潮社 
9  夏目漱石   夢十夜・岩波文庫 ※  
10 内田百閒   百鬼園随筆・新潮文庫

※印は、読み返した本です。


 3月は、1・2月の若干の遅れを取り戻しました。
 いったいいつ読んでいたかというと、ぎっくり腰で会社を休んだり、養生のためにともだちとの約束をキャンセルしてもらった時間ででした。
 寝返りをうてないときも、うてるようになっても、横になって本を開いて文字を追ってしばらくすると指をはさんで目を閉じて、それをくり返していました。
 ぎっくり腰というあほらしさに鬱々とするきもちを感じながらも、開き直って本を読み始めると、それはそれはありがたい時間となりました。

 10冊読んだ中で読みがいがあったのは、直木賞を受賞した朝井リョウの『何者』です。
 物語には、就職活動中の大学生たちが登場します。
 今の「シューカツ」というものを少なからずメディアを通して知っているつもりでいましたが、描かれる見に迫る切実さには心のどこかで息を止めて読む自分がいました。

 あのときシューカツから逃げていなければ。
 いやというよりは、シューカツに向き合えない自分から逃げていなければ。
 どうなっていただろう。
 そんな思いが、数度頭を過ぎったのです。

 朝井リョウの文章は、読みやすいです。
 本人は会話は今の話し言葉を意識しているとどこかのインタビューで話していましたが、特に違和感はありません。
 ささくれのない文章です。
 なにか近しいものを感じながら読んでいたら、ひょんなところで彼が堀江敏幸氏のゼミ出身だということを知りました。
 その事実は、わたしにとって太鼓判。
 朝井リョウは、継続的に読んでいこうと決めました。

 そして今月もうひとつある師弟関係。
 夏目漱石と内田百閒。
 こちらふたりの作品は、偶然並行して読んでいました。
 かたや、現代小説ばかり読んでいたのでちょっとここらでと手に取った『夢十夜』と、整骨院通いの途中で買った『百鬼園随想』。
 後者は、養生する間に読むにはユーモラスでいいかなと選びましたが、読みながら何度も小さく笑いが洩れました。
 さすが百閒先生。今会いたい人、ナンバーワンです。 
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by fastfoward.koga | 2013-04-08 22:00 | 本の虫

仕事って

 仕事のやり方について考えた。
 大事な仕事とそうでない仕事。
 そうでない仕事でポカミスをやった。
 要因は、配慮が足りなかったこと。
 明日どう謝ろうか、考えている。
 下手に謝りすぎると逆効果だろう。
 大事でないと思っていることが、逆に伝わってしまう。
 それは、相手には関係ないこと。
 伝える必要はない。
 明日は、配慮のなかったことをただ謝ってみる。
 淡々とやってみよう。
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by fastfoward.koga | 2013-04-04 22:01 | 一日一言

上がれ

 半月、ブログを更新せずなにをしていたかというと、ぎっくり腰になっていた。
 といっても、ずっとぎっくり腰で寝込んでいたわけではなく、あくまでそれはきっかけにすぎず、そう重くはないと自覚しつつも、いつもの春先にどよんとする雲の中に入ってしまっていた。
 それは今、完全に抜け出したのかどうかわからないけれど、昨日と違うことができていることは違うことがあるということだ。

 暖かい空気に連れられて、少し浮上したいな。
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by fastfoward.koga | 2013-04-03 21:57 | 一日一言